5. 比喩表現から説く「ものの見方」の切り口
from 法話ヒントとしての滴シリーズ活用案
5. 比喩表現から説く「ものの見方」の切り口
歌集に散りばめられた印象的な比喩を解説することで、ものの見方一つで世界が変わるという仏教の智慧を説きます。
比喩表現
法話の焦点
説くべき教え(例)
影
露滴076:夏の日はまだ暑けれど暮れ行けば 影の長さに 秋ぞ忍びぬ
「影」は無常の象徴。影の変化に気づくことが、自己の存在の儚さと尊さを知る手掛かりとなる。
雨・雫
照滴001:雨だれの岩を穿つはその雫に 宇宙をすべて込めしゆえかな
「滴」や「雫」という微細な存在に大いなる力(宇宙・真理)が宿る。小さな努力や善行も無駄ではない。
花
照滴051:わが心(むね)の 仏の種に 水やらば 芽吹き繁りて 花も咲くなり
「花」は悟りや仏性の象徴。煩悩にまみれた「わが心」という穢土にこそ、仏の花は咲くという希望。
言葉
宝滴008:言の葉は強き言霊真言ぞ 儚き契りの涙ともなる
新滴023:言の葉で肝を凍らす夜叉よりも かんばせ溶かす菩薩でありたい
「言葉」は真言ともなり、嘘とも毒言ともなる。口から発する言葉一つ一つに責任を持ち、慈悲の言の葉を紡ぐべきである。